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2020.04.24 Friday
患者さんが「ある感染症」に罹患してるか否かを決定する(確定診断)には、お医者さんが患者さんを診立てて決める場合と科学的データを元に判断する場合があります.
前者のやり方は大抵の場合困難があります.
風邪のような症状を呈する感染症はいくらでもあるし、下痢だって、頭痛、腹痛、発熱だってそうです.
症状だけで「ある感染症」か「それ以外の病気」かをピタリと当てられる医者はこの世に一人もおりません.
その困難の中でも、ほぼほぼいけてる診断基準というのもあります.
例えば、「はしか」という感染症、専門的には麻疹(ましん)、measlesなどと言いますが、この病は臨床所見だけで見分けられることが多いです.
まず、全身症状の発熱が二度に分けてあります.二度めの発熱時に発疹が現れる.口の中、ほっぺたの裏側の奥に白いツブツブ(コプリック斑と言います)が揃えば、「やや、これははしかじゃよお母さんふむふむ」と胸を張って言っても概ね大丈夫.
こんなわかりやすい病は稀で、ほとんどが紛らわしい.
世の中紛らわしいことがいっぱいであります.
そんなモヤモヤ感を晴らしてくれるのが「臨床検査」です.
病院の中で、あまり人前に現れない得体の知れないオタクっぽい白衣姿の人たち、あの人たちが臨床検査技師のライセンスを持つ集団です.
患者さんから色々なデータを取ったり、検体を採取して、肝機能やら尿蛋白やらを調べる高等テクニックを持つ集団です.
レントゲンだけは別のライセンスになっていますが患者さんの内部情報を画像でとる技師さんも軍団の一人です.
警察の科捜研みたいなもんですね.
それで、ウイルス感染症の場合は大きく分けて、ウイルスそのものを見つける検査と、感染によってウイルスが残した痕跡を証明する検査があります.
テレビで盛んに叫んでる「PCR」検査はウイルスの遺伝子を見つける検査です.
PCRはDNAを目に見えるほど増幅してその存在を証明することができる画期的な検査です.
しかし、今回の敵コロナウイルスの遺伝子はRNAなのでPCRでは増幅できません.そこで、逆転写酵素というRNAからDNAに転写する都合のいい酵素処理を行ってからPCRを行うという裏技が用いられます.RT-PCRと言います.
まあ、これだけで痕跡程度のわずかなウイルスRNAを莫大な量に増やして証明することができるわけですが、もっとスマートにやろうというのがリアルタイムPCRというやつです.
これが今世界中で必死のパッチで行われてるウイルス検査です.
この遺伝子検査は敵の特徴的な遺伝子塩基配列さえわかればすぐにでも実施できるという強みを持っています.
がしかし、そこいらの町医者が実施できる方法ではないことは確かです.まあ、実験が好きで、のたうち回ってる患者を放っても大丈夫な医者ならやれますが.
PCRやリアルタイムPCRには高価な特殊装置と高度な実験技術が必要なのです.
では、インフルエンザの時みたいに町医者がチョチョイと実施可能な方法がないのかというと、それは間も無く市場に出回るはずです.
原理はインフルエンザの検査と同じなのでアレとコレをチョチョイと変えると出来上がります.
ただこれはウイルスが喉の奥、鼻の奥の粘膜表面で精力的に増殖して、ここにウイルスいっぱいおるでえという時期にしか実施できません.
これはPCRもそうです.
多分、PCRの方が感度は高い.
ただ、ウイルスが肺の奥にしかいないとか、感染したばかりでウイルス量が少ないとき(ウインドウピリオドなどと言います)はいくらやっても無駄.
喉からいなくなったけど、どうなの?というときはどうする?
これは、感染した身体が反応して出すシグナルをキャッチするのです.
感染症の場合は感染して症状がなくなった後のことなので、患者さんを直接診てるお医者さんの関心事ではないのですが社会的にはとても重要な情報を与えてくれます.
病原体に身体が反応して出すシグナル色々あるんですが、ここで言いたいのは「免疫反応」です.
免疫反応、ぶっちゃけていうと抗体というアレです.
もう一つ、細胞性免疫というのもあるんですが、それは彼方に置いといて、今は抗体の話.
抗体にはいくつかの種類があります.
IgM, IgG, IgA, IgE, IgDなどです
ここではIgMとIgGに絞って話を進めます.
ウイルスに感染すると、最初はウイルス特異的なIgM抗体が作られます.
次いでIgGという抗体が作られます.
どちらもウイルスに対してオーダーメードされた今まで体になかった抗体です.
この抗体を検出できれば、いろんな情報が得られます.
IgM(+), IgG(-): 感染してから、それほど時期が経ってない.
IgM(+), IgG(+): 上の時期から、しばらく経った.
IgM(-), IgG(+): 更に時期が経った.あるいは、かなり経った.
この抗体を検査できるキットも出てきます.
いずれにしろ、需要がなければ検査のキットは作られません.
需要を見越して作ったりもするのですが、いくら良いもの作っても売れなければ会社が大損するだけですから.
今回は相当な需要があるので、検査キット、治療薬、ワクチンの開発が各方面で精力的に行われています.
玉石混淆ですが、それらの中からいいものが選択されて残るのは世の常ですね.
2020.04.09 Thursday
Sさんが経営している飲食店も閉店状態
日頃の疲れを癒すために田舎の温泉に
人が少なくて安全だ
聞こえはいいです
その考えは一方向から見ればナイスと思われますが
それは全くウイルスに感染していない人だけに当てはまります
多くの人が、人の少ない地方に散らばれば、今まで流行していなかった地域に火種を投げ込むことになるのです
仮に、自分の部屋で二週間経過観察して、感染していないことを確信して出かけても、道中で感染する可能性もあります
人との接触を70%、できれば80%以上避けることが流行拡大を抑えることに繋がるらしいです
必須のこと以外については100%近く避け、どうしても避けられないことでも40%近く避ける.その中間のことについては80%前後避ける.これを1-2ヶ月続けなくてはシャットアウトできないという推計があります.70%だったらダラダラと何ヶ月もかかる.20%だったら全く意味がないそうです.
これは全国民の覚悟です.
インフルエンザが猛威を振るえば、1シーズンに数百万人が感染すると言われています.
ほとんどの人々が全く免疫のない新コロナウイルスなら一千万人単位で感染するでしょう(何もしなければ)
3-4割がほとんど症状無し、3-4割が典型的な症状、2割前後が重症化と言われていますから、仮に一千万人が感染すれば二百万人くらいが重症化して入院加療が必要になります.
この国の医療機関全部合わせて集中治療できるベット数は二百万に全く足りません.
これをなんとか二万、二千に抑えようと皆努力しているんだと思います.
政府は二百万の国民がのたうちまわること考えたら、できるだけの金を使って欲しい(生き金を)
2020.04.07 Tuesday
免疫という言葉、聞いたことあると思います
疫病(感染症)に罹患して回復すると、その疫病に二度と罹らないという経験則.
それをさらに科学的に解明したのが「免疫」という現象.
免疫は今般の新型コロナウイルス感染症にも当てはまるはずです.
つまり、いち早く感染して無事回復した方々、あなたたちは、おそらく新型コロナウイルスに二度と感染しない体になっております.
全人口の中に既感染者が増えていけば、ウイルスの餌食である未感染者が減少し、ウイルスの存続にとって不利になります.
その割合がどれだけになると、もはやウイルスは存続できなくなるのか?
昔から知られている軽い風邪の原因である古典的なコロナウイルスは感染・回復した後、ほとんどのケースで体内に中和抗体(ウイルスを無力化する抗体)ができると教科書に書かれております.
それにもかかわらず、頻回に再感染することでも有名です.
コロナウイルスのような呼吸器で感染するウイルス、あるいはポリオウイルスのように腸管から感染するウイルスは粘膜がウイルスの入口(侵入門戸)で、感染を阻止するには粘膜免疫が重要です.
体内にできる抗体はIgG抗体と云われ、粘膜表面では戦えません.粘膜で戦う抗体は分泌型のIgA抗体です.
この抗体による免疫を粘膜免疫と言います.
唯一の飲むワクチンであるポリオ生ワクチンは腸管から働き、強い粘膜免疫を誘導するため、感染を阻止できます.
一方、不活化ポリオワクチンは注射で体内に接種するため血中にIgG抗体は誘導できるのですが、粘膜免疫、すなわち感染防御は誘導できません.しかし、腸管から血中に侵入してくるポリオウイルスを叩くことはできる.
コロナウイルス感染では粘膜免疫が誘導されないか、誘導されても長く持続できないのかもしれません.
おそらく新型でも同じようなことになると思いますが、血中中和抗体が陽性だけでは再感染を許容するかもしれません.
しかし、体内に侵入して悪さ(重症化)をしようとするウイルスは中和して軽症になることが期待できます.
やはり、今般の感染症の予防には粘膜免疫が有利.
ワクチンを作るなら強力な粘膜免疫を誘導できるものを開発していただきたい.
IgAは粘膜免疫のみならず、血液中でも循環してIgGと同じように働くこともわかっているので、体内に侵入したウイルスも不活化できます.(一石二鳥)
生まれたばかりの赤ちゃんを感染症から守るために、お母さんは赤ちゃんに自分が持ってる免疫を授けます.
ヒトでは赤ちゃんは生まれる前に胎盤からIgG抗体、生まれた後は母乳からIgA抗体をもらって約半年間感染症から守られます(母子免疫).
むかーし、私が若い研究者だった頃、東北大学の石田先生のグループが、IgA産生を誘導できるワクチン抗原を牛に免疫して、抗ウイルスIgA抗体を高濃度に含む牛乳を生産し、乳幼児に飲ませて腸管あるいは呼吸器感染症を予防・治療する研究を行ってました.
この辺のこと、現役の研究者には明らかにしていただきたい.
2020.04.04 Saturday
コロナウイルスの感染経路ですが、主に急性期患者の上気道から会話、咳やクシャミなどで発生する飛沫、及び汚染した物体の表面等を介した接触感染と言われていますが、合衆国NIH/NIAIDはエアロゾル(飛沫核)による感染経路(空気感染)の可能性を示唆しました.
粒子径が大きい(5μm以上)飛沫は発生後速やかに落下します.(マスコミによっては1mmと記述してますが、もっと小さい)
ところが、径が小さい(5μm以下)粒子(飛沫核、エアロゾル)は空中に長時間浮遊し、かつ遠くに到達できます.
イメージとして、熱い飲み物の表面を光にかざしてみると湯気の粒子が見えますが、あのくらいの大きさです.
たとえ長時間浮遊できたとしても、病原体が短時間で感染性を失う(死ぬ)なら問題ないのですが、既に報告(報道)されているようにコロナウイルスは中々感染性を失わないので飛沫核でも感染(空気感染)することが考えられてました.
飛沫核は飛沫粒子と同様の過程でも発生するし、発生時は飛沫に近い粒子径であっても、蒸発により径が小さくなって飛沫核に変わることも考えられます.
飛沫感染と空気感染、どのようにして防ぐことができるか?
飛沫粒子は速やかに落下しますから、発生源から(最低1m)離れることで接触を防ぐことができます.どうしても近づかなければならない医療スタッフや介護士、タクシー運転手、役場の受付係などはマスク(サージカルマスク)をつける.
対して、飛沫核は小さい上に、長時間空中に浮遊しているので発生源から離れても感染してしまう可能性があります.
ただし、距離をとると拡散によって空中の飛沫核濃度は下がりますから距離も効果はあります.
また、離れていてもマスクで防御する必要がありますが、通常のサージカルマスクでは通過してしまうので効果がありません.
飛沫核には高機能マスクを使う必要があります.アメリカの基準でN95(Nは耐油性なし、95は飛沫核をほとんど除去できる)という規格があります.所謂N95マスクというもので、一般には販売されてません.
病院や研究室ではN95マスクを装着し、ゴーグルや帽子、ガウン、オーバーシューズ、手袋などで武装し(バリアプリコーションという)、部屋を出入りする度に脱ぎ捨てたり、きたりを繰り返す煩わしさがあります.
飛沫核感染が起こりやすい部屋では、換気装置にHEPAフィルターを組み込んで飛沫核(エアロゾル)を取り除いて排気し、その分清浄な空気を取り入れて感染を防御してます.
では一般ではどう防御するか.一番簡単なのは「君子危うきに近寄らず」です.
あなたが君子でない場合や、どうしてもという場合は、屋外で風上に立つ、室内であれば窓を開けて飛沫核を拡散する.あるいは清浄機で室内の空気をろ過することです.
ただし、空気清浄機にHEPAフィルターが使われているものでないと飛沫核は取り除けません.ちなみに、ナ●イーとかプ●ズマ何とかと言われる機能は効果がありません.●ラッシュストリーマーという放電でイオン化した空気の分子で殺菌するシステムは或る程度の効果が認められている.
国立病院機構仙台医療センター臨床研究部ウイルスセンターで実際にインフルエンザウイルスを空中に散布して効果を試した研究結果が公開されてます.
塩素系の殺菌成分やオゾンを発生するタイプに関しては効果がありそうですが、実際に空中にウイルスを散布して実験したデータがないのでわかりません.
タクシーはどうすればいいか.
前席と後席(客席)の間にアクリル板で壁を作る.
HEPAフィルター付き空調を車内に設置する.
客が降りたら、一旦締め切って空間消毒を行う.
現金の受け渡しを止め、キャシュレスにする.
紫外線は有効です.おまけに、空気はもちろん水中や物体の表面にも効果があります.紫外線のエネルギーが強ければ強いほど、照射に時間をかければかけるほど有効ですが、人体にも有害です.
水の中のロタウイルスなどを殺せる超強力な紫外線ランプがあるのですが、空気にも応用できるか否かはわかりません.空気循環(清浄)システムに組み込めば人体には無害なので使えるかもしれませんね
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2020.04.03 Friday
基本的に患者発生の中心はアメリカ合衆国である
4/2付のPAHOの報告によれば、支局管内の確定例は24万余りで、21万あまりが合衆国で発生している
報告書を見て気になった点が一つ
これまで"Suspected"としていた項目がなくなり、代わりに"Probable"という項目が設定された点である.
Suspected case(疑い例)というのは症状から疑った症例で、科学的根拠を持っていない.
そこで、確定診断を行って白黒をつけるわけである.
今般はウイルス遺伝子検出が一般的である.
Probable case は 遺伝子検査をしていない(あるいは検査で陰性であった)が、臨床症状を含めて色々な状況から可能性が非常に高いと解釈できる.
これまでの Suspected case はどこに行ったのか?
報告書の表から消えてしまった.
おそらく、Probable case の外側に膨大な Suspected case があるはずだ.
2020.03.29 Sunday
テレビではコロナウイルス検査が十分に対応できていないと日本の体制を批判している.
一方、流行爆発が起きているドイツでは、有効な防疫対策を行う上で正確な感染者数を知る必要があり、できるだけの症例を精査している(らしい or と思う)
日本は、まだパンデミックの状態にないので、疑われる症例のうちリスクの高い患者さんを優先に検査する(当然)
診察した医師が「感染の可能性が低い、たとえ感染していてもリスクが低く重症化しにくい」と判断した患者さんについては経過観察入院か自宅で経過観察あるいは自然治癒を促す
できれば、検査なしで処置した症例の中で感染が疑われるものについては「疑い例」として報告してほしい.
地域の感染状況を正確に把握することは「良い防疫対策」を実施する上で重要だ.
知っているに越したことはないが、それをするだけの負荷と流行抑制への貢献を天秤にかければ、検査体制を強化する方が先決.
それぞれの地域で感染状況が掌握されてるか否かはWHOの状況報告から死亡率を計算すれば大体わかる.
確定症例数(確定診断済み)を分母に、死亡者数を分子にして百分率計算すればいい
例えばドイツは0.8%なのに対してイタリアは十倍以上の11%.
日本は2.9%、中国は4%で、酷いのは合衆国で16%と異常に高い.
同じ人間で同じ病原体なのに死亡率が地域によって大きく異なる.
ドイツの0.8%が本性の真の死亡率に近いとすれば、潜在的な感染者も含めた数はイタリア:100万、日本5-6万、中国30万以上、そして合衆国は240万近いということになる
全世界(死亡率:約4.8%)で推計すると感染者は400万人を超えていることになる.
ただし、異常に高い死亡率は低く見積もられた感染者数だけでは説明できない.
例えば、イタリアの高い死亡率は重症患者の発生が医療機関の能力を超えていることを表しているのかもしれない.
しかし、合衆国の異常な死亡率は如何にして説明されるのか.
重症患者の発生が医療機関のキャパシティを越えたのか、あるいは治療能力が低いのか.
話を正確な感染状況の把握に戻すが、感染状況を表すのは感染率で、Real-Time RT-PCR(マスコミは単にPCRと連呼)による検査で求められず、血清疫学が必要となる.
感染すると、その証拠に体の中に病原体に対する抗体ができる(抗体陽性、非感染者は陰性).
無作為に住民の抗体検査を行えば、その地域の感染率が正確に把握できるのだ.
その結果を男女別、年齢別に解析すればさらに詳しい分析ができる.
感染したけれど症状が出なかった人(不顕性感染)まで探り出せる.
血清疫学が行われるのはこれからであるし、今まさに病で苦しんでいる患者さんに対しては直接の利益はない.
検査に関しては、仮に事態が急転して必要となれば、検査可能な機関(大学などの研究・教育機関)が協力して応じることはできるはずだ
検体からの感染のリスクは検体をあらかじめ核酸抽出まで行っておけば、感染性がなくなるので、高校の理科室でも実施可能である.
ドイツと日本は流行の状況も防疫・防除のポリシーも異なる.
ドイツは普段から主治医(ホームドクター)制度が普及しており、普段から市民の健康状態が把握されてる.
市民(患者)が最初に接触する医師は主治医で、電話回線やインターネットなどでコンタクトし、主治医が必要と判断すれば医療機関への受診を勧める.
重症化の危険性が低い場合は自宅待機を勧める.検体は医療スタッフが訪問して採取すればいい(主治医によるトリアージュ実施で病院の負担軽減).
医療体制が日本とは異なる.
ドイツは爆発的な流行に見舞われてるのに死亡率は非常に低いのはなぜか.
対して、同様に爆発的流行に見舞われているイタリアの死亡率は異常に高い.
この異常数値は重症患者の発生が医療機関の収容や治療能力を越えていることを表していると示唆される.
ドイツは医療体制がまだ持ちこたえられているのはホームドクターによる患者振り分けにより、専門医療機関は重症例に集中できている、ハイリスクあるいは重症患者数に対して医療機関の医療スタッフや治療機器などのキャパシティーが上回ってるなど色々と理由が考えられると思います.
日本は各地域の分析を十分に行い、しっかり学んでおくべき.
特にイタリアやスペイン、合衆国の失敗例とドイツの成功例を対比させて分析すべきだ.
話は変わるが、主治医制度が浸透していない日本で流行が大きくなれば、市民はどう動くか?
大病院の外来は紹介状なしでは受け付けないから、救急へ殺到する?.
あるいは、近くの診療所(内科系)?.
夜は救急、昼間は診療所が最初の受け入れ口となることが考えられる.
感染しているかもしれない人たちが其処此処右往左往すれば拡大のリスクが増す
電話やネットを最初の相談窓口にするのも一案
回線パンクが考えられるので、テレビショッピングのコールセンターは利用できないかな.
相談員を今からトレーニングしておいた方がいいかもしれない.
地方自治体は医療機関と相談して体制を確立し、市民に周知徹底しておくべき.
自宅療養患者への食事や必需品のデリバリーシステムも考えておくべき.
出前システム持ってるレストランや食堂、宅配業者、郵便配達の出番ですね
2020.03.28 Saturday
WHOによる新コロナウイルス感染症(COVID2019)の状況報告(67版3/27付)によれば、確定例のトータルが五十万と九千余り
.うち、二万三千余りが死の転機を取った.
流行当初、猛威を振るっていたのは中国で、一国で八万以上の確定患者を発生させ、三千三百近い人が死亡した.
現在、中国の状況は穏やかで、一日の新規症例数は百余と低い.
今、欧州と合衆国、イランの火の手が強く、当初の中国を凌ぐ勢いである.
中国に次ぐ人口を抱えるインドの状況は何故が静かだ.
また、人口で見ると日本と同程度のロシアは、やはり日本に近い症例数であるが、一日あたりの新規症例数が二百近いので今から大きな波が寄せてきそうだ.
PAHO/WHOの集計(27日付、WHOより新しい)によれば、PAHO管轄する全域で十一万七千近い(含疑い例)新コロナウイルス感染症例がカウントされた.
そのほとんどが合衆国で発生しているのは救いと云える.
他の地域(途上、新興、困窮地域がほとんど)で多くが発生していれば大変な事態となっていただろう.
中でも、爆発的な流行に移行しそうなのがブラジルだ.
確定例こそ三千未満であるが、疑い例が一万一千例あまりもあるからだ.
エクアドルも確定例より疑い例の方が可也多い.
おそらく診察・検査の体制が確立していないためで、南米は今後急増する可能性がある.
不思議なのは中米の発生が然程ではない点.
北米の一部メキシコが合衆国よりマグニチュードが格段に小さいことなどからも、合衆国から南米への侵入が中米を経由していないことが示唆される.
カリブ海・大西洋地域の症例数は千二百余りと少ないが、例えばキューバは確定例が80なのに対して疑い例が523もある.やはり、診察と検査の体制が整っていないと思われ、今後急増する可能性は否定できない.
2020.03.20 Friday
アメリカ合衆国、しばらくの間数字を出さないと思ったら、いきなり3500以上の増加で7000を一気に超えた
新大陸でのアウトブレイクは北米を発端に中南米へと広がっています
早く戒厳令を発しないと合衆国と違って制御のしようがないでしょう
そして、ヨーロッパの中韓日のピークを凌駕した数字の伸び方は驚くべきものがある
急な患者増加で医療機関が対応できなくなっている
フランスが新規確定例を「0」で報告しているのは妙だ
ロシアはやっと数字を出し始めた(今後、ドカンと数字を出してくる可能性がある)
中東や欧州から飛んだのかアフリカ大陸からもバラバラと報告が上がってます
中南米同様に恐ろしさを感じます
今は、まだ20万を超えたところですが、来週の数字の伸びが気になるところです
早い段階で国境を閉じて各々の国で出来る対策を取らないとパニックや暴動を招きかねない
軍隊の動員も必要かもしれない
途上国などの貧困地域で大きな流行が始まった時、日本やアメリカヨーロッパなどの先進国はどのような助け舟を出せるのか、今から検討しておく必要がある
先進国は自国のことで大変だろうけど、大局を考えたら医療や食料の援助を早めに準備したほうがいい
難民船で人々が大挙して訪れた場合の対応も
2020.03.20 Friday
約100年前(1918)にスペイン風邪が世界を席巻した
この流行は第一次世界大戦が続行できなくなった程の規模で、地球人口の少なくとも20〜30%位が感染したと言われている
巨大な流行の後、この疫病は地球上に定着し、季節性インフルエンザとして1957まで地球上に君臨した
当時は感染症学や微生物学がまだ確立していなかった
今はそれらに対する深い造詣がある
国々の統率も取りやすい
なので、今回の新型コロナウイルス感染症の流行はスペイン風邪ほどにはならないかもしれない
江戸の大火で、炎が燃えやすい木と紙で作られた家々を食べ尽くしたように、この疫病が感受性を有する人ばかりが居住している地球上を燃え広がることは否定できない
地球人口の数%が感染するかもしれない(今は20万弱)
そのうちの1%未満が死亡する
2018のWHOの報告によると、世界的な死亡原因のトップは虚血性心疾患(900万余)、次点が脳卒中で600万に少し満たない
三位は何と!「慢性閉塞性肺疾患」
代表的なのは常に車椅子で行動し、酸素ボンベを積んでるアレである
原因の一つが「喫煙」です
四位が「下気道感染症」で300万ほど
今般の新型コロナウイルス感染症は、この辺りに絡んでくるのではないでしょうか?
ちなみに、2000の統計では三位:「下気道感染症」、五〜八位までが下痢症、結核、エイズ、産後の合併症と感染症が占めていたが、2018は「下気道感染症、下痢症、結核」と三症に減少しました
このように短期的にみても人類は感染症と戦い続け、着実に確実に勝ち進んでいることは事実
最終的には季節性のインフルエンザのように定着するのでしょうか?
ただ、インフルはヒト以外の動物、特にトリの類によく感染し、そのことが存続のキーになっている(人獣共通感染症)
その点はコロナと異なり、コロナはインフルほど蔓延らないかもしれません
これまでに、天然痘(やポリオ)のようにワクチンの普及によって撲滅した感染症もあります(ポリオはあと一歩ですが)
それ以外に優秀なワクチンはたくさん開発されており、その気になれば他の感染症の撲滅も夢ではありません
ただ、いくら優秀なワクチンを持っていても、病原体がヒト以外に感染する場合は撲滅が可也困難
例えば狂犬病、こいつは他の(野生・家畜・伴侶)動物にも感染するので、いくら優秀なワクチンでヒトを防御しても撲滅できない
同じような理屈で撲滅できない感染症も数多くあるのが実情
新型コロナウイルスは、恐らくヒト以外の動物が保有していたのをヒトが貰ったと考えられます
なので、撲滅は難しいかもしれないけど、東南アジアやオーストラリアのヘニパウイルス感染症(オオコウモリが自然宿主)のように恐ろしい病気も感染ルートに注意することで、上手く制御できたケースもあるので希望は持てます
感染症学や微生物学(細菌学、真菌学、寄生虫学、ウイルス学など)も重要ですが、防疫学も流行制御には重要です
日本は戦後になって防疫学的な考え方が廃れてしまったと言われている
今後、自衛隊や厚労省から米国のCDC的な機関を発足させることも必要かもしれません
2020.03.18 Wednesday
アメリカの専門家チームの報告によれば、COVID2019病原ウイルスの自然環境因子耐性能力は空気中で3時間あまり、モノの表面で3日あまり感染能力を保持する
銅などの活性金属表面では比較的早く(それでも4時間程度)感染性を失う
紙の表面では粗丸一日
プラスチックやステンレスなど不活性な物質の表面では2〜3日感染性を失わない
湿度があると比較的速やかに感染性を失う
空気中での感染性維持が3時間というのはかなり長い
3時間ということは、感染性を有したまま飛沫核で浮遊しているということ
すなわち、空気感染の可能性を示唆する
密閉空間で感染が容易に起こる所以だ
それ以外にエンベロープウイルスに共通して云える事として界面活性剤(洗剤の類)や有機溶媒(アルコール消毒)に弱いので、洗剤を混ぜたアルコール系消毒薬(市販品)が有効
ウイルス一般に言える事として熱に(70度以上)や紫外線(太陽光)、ハロゲン(塩素系漂白剤やルゴールなど)に弱い.
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