元仮設ウイルス学研究室

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2007.02.08 Thursday

沖縄のノロウイルス

沖縄のノロウイルス

 ノロウイルスはカリシウイルス科に属する小型のRNAウイルスで、エンベロープを持たないことから洗剤やアルコールに耐性があり、かつ熱等にも強いので吐瀉物や便に排泄されたウイルスは下水中で長期間感染性を保ちます。従って、下水中のウイルスは下水処理場で幾分か除去されますが、処理水に漏れ出た分は放流水域を汚染します。ウイルスはヒトの小腸上皮細胞のみに感染して増殖するので、ウイルスが環境で増えることはなく、どんどん希釈され、いくら環境因子に耐性でもやがては感染性を失います。しかし、汚染水域に生息する二枚貝はプランクトンを補食する際に水中に僅かに存在するウイルスも体内に取り込み濃縮してしまいます。既述したように、ウイルスは貝類には感染しませんから、貝の体内に蓄積されたウイルスはやがて感染性を失います。しかし、貝類が生息する水域が汚染されている限り、貝類への蓄積は続くのです。ノロウイルスを蓄積した二枚貝を食べることでヒトが感染することは確かですが、ウイルスは胃酸や胆汁などにも強い耐性があり、ほんの僅かのウイルスを飲み込むだけでも感染することことから、ウイルスに汚染されたモノ(手摺やドアノブなど)や食材(貝類以外)を介して感染がどんどん拡大していくのです。児童施設や老健施設等で集団感染する事例はおそらくそのようなメカニズムで感染していると思われます。  ノロウイルスの感染環から考えて、下水の汚染状況から住民の感染状況が推察されるはずです。沖縄では2006年秋からのシーズンもノロウイルス感染症が流行しました。多くの観光客が出入りする沖縄県は他府県の流行に影響され易いと思われますが、2006年から2007年の沖縄の下水は『いつ頃から』、『どれだけ』汚染されているのでしょうか?

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