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2020.04.24 Friday

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2020.04.07 Tuesday

あまり大声では言えないけど

免疫という言葉、聞いたことあると思います

疫病(感染症)に罹患して回復すると、その疫病に二度と罹らないという経験則.

それをさらに科学的に解明したのが「免疫」という現象.

免疫は今般の新型コロナウイルス感染症にも当てはまるはずです.

つまり、いち早く感染して無事回復した方々、あなたたちは、おそらく新型コロナウイルスに二度と感染しない体になっております.

全人口の中に既感染者が増えていけば、ウイルスの餌食である未感染者が減少し、ウイルスの存続にとって不利になります.

その割合がどれだけになると、もはやウイルスは存続できなくなるのか?

昔から知られている軽い風邪の原因である古典的なコロナウイルスは感染・回復した後、ほとんどのケースで体内に中和抗体(ウイルスを無力化する抗体)ができると教科書に書かれております.

それにもかかわらず、頻回に再感染することでも有名です.

コロナウイルスのような呼吸器で感染するウイルス、あるいはポリオウイルスのように腸管から感染するウイルスは粘膜がウイルスの入口(侵入門戸)で、感染を阻止するには粘膜免疫が重要です.

体内にできる抗体はIgG抗体と云われ、粘膜表面では戦えません.粘膜で戦う抗体は分泌型のIgA抗体です.

この抗体による免疫を粘膜免疫と言います.

唯一の飲むワクチンであるポリオ生ワクチンは腸管から働き、強い粘膜免疫を誘導するため、感染を阻止できます.

一方、不活化ポリオワクチンは注射で体内に接種するため血中にIgG抗体は誘導できるのですが、粘膜免疫、すなわち感染防御は誘導できません.しかし、腸管から血中に侵入してくるポリオウイルスを叩くことはできる.

コロナウイルス感染では粘膜免疫が誘導されないか、誘導されても長く持続できないのかもしれません.

おそらく新型でも同じようなことになると思いますが、血中中和抗体が陽性だけでは再感染を許容するかもしれません.

しかし、体内に侵入して悪さ(重症化)をしようとするウイルスは中和して軽症になることが期待できます.

やはり、今般の感染症の予防には粘膜免疫が有利.

ワクチンを作るなら強力な粘膜免疫を誘導できるものを開発していただきたい.

IgAは粘膜免疫のみならず、血液中でも循環してIgGと同じように働くこともわかっているので、体内に侵入したウイルスも不活化できます.(一石二鳥)

生まれたばかりの赤ちゃんを感染症から守るために、お母さんは赤ちゃんに自分が持ってる免疫を授けます.

ヒトでは赤ちゃんは生まれる前に胎盤からIgG抗体、生まれた後は母乳からIgA抗体をもらって約半年間感染症から守られます(母子免疫).

むかーし、私が若い研究者だった頃、東北大学の石田先生のグループが、IgA産生を誘導できるワクチン抗原を牛に免疫して、抗ウイルスIgA抗体を高濃度に含む牛乳を生産し、乳幼児に飲ませて腸管あるいは呼吸器感染症を予防・治療する研究を行ってました.

この辺のこと、現役の研究者には明らかにしていただきたい.

2020.04.24 Friday

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