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2011.10.08 Saturday

危険な匂いがするTPP

ネットでTPPを検索すると、何やら補酵素や化学物質の略称だったりして、いま巷で話題になっているTPPとは違うモノが引っ掛かってくる.

日本語で環太平洋戦略的経済連携協定、英語で表すとTrans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreementの略がTPP.

工業品、農業品にかかわらず、例外品目のない関税撤廃と貿易自由化を実現する為の協定を太平洋を取り巻く国々の間で取り交わそうということらしい.

この協定は何処から見ても良いことずくめなのだろうか?

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関税を無くすると、例えば安いコメが外国からジャンジャン自由に入ってくるようになる.逆に輸入車の購入に100%、200%と高率の税をかけている国に日本車をガンガン売り込める.

こう見ると消費者にとって良いこづくめであるが、生産者にとっては由々しき事態である.

安価な外国製品、高度な製品が無制限に入ってくる訳だから太刀打ちできなくなる.

さらに、今まで100万円のクルマが関税込みで200万円で輸入されていたのが100万で輸入販売されるようになると人々はクルマ購入へ一斉に動き出す.つまり、国内の購入動向がドラスティックに変わる.クルマが増えれば事故も増えるし道路も整備しなくてはいけない.今までは自転車で我慢していたのがモーターバイクになり、やがて自動車になる.自転車やモーターバイクを生産していた業者はあがったりである.そんな時は国内で自動車購入税をかけて自動車を買いにくくすれば良いのだが、自国に自動車生産業者が居た時はたまったものではない.そうなると、自国向けじゃなくてアメリカやオーストラリア、日本向けの高価な高級車を生産する方向に動いて、結局人々はクルマを持てなくなるだろう.

日本の製造業にとって良いことなのかというと、其れも疑わしい.小生が自動車会社の社長なら、最も製造コストが安くなる地域に工場を移転する.そして、そこで作ったクルマを日本に輸出する.つまり、日本に製造業は居着かなくなり、さらに日本での雇用が低迷する.

東南アジアの田舎に行くとコメがべらぼうに安く売られていて羨ましい思いをするが、あの値段でストレートに日本に入ってくると思ったら大間違いだし、コメの自由化は日本の生産者のみならず輸出国の消費者にも大打撃を与えかねない.

日本に制限無しにコメを輸出できるとなると、途上国の生産者(もしくは生産者を牛耳っている人達)は一斉に日本向けの高級高品質米を生産しだすだろう.そうすると生産国で出回っている安い従来米の生産が滞って、現地の人々が食べているコメの値段が跳ね上がることは必至だ.生産国の人々が今まで食べていた主食のコメが高騰すれば飢えが発生する.アメリカなどのコメを主食としない国は知ったことではない.結局、コメを主食とする途上国(の消費者)が困ることになる.

生産者だって日本向けのコメを生産する為に田んぼや栽培方法も変えなければならないし、農薬や肥料、農業機械も買わなければならず、自分達が食べている伝統的な従来米も作らないので買わなくてはならない.農家はどんどん借金まみれになる.セスナで種や農薬、肥料を播いて巨大なコンバインで収穫しているアメリカやオーストラリアは平気だ.

TPPで誰が得をするのか?

大国の生産者、コメシンジケートの中枢、金貸し、商社などの貿易会社、ゼネコン。。。。

少なくとも底辺の人々は得しないような気がする.....

素人なりに考えてみると、良いことはあまり無いように思えるのだが.....

この協定では特許の有効期限が70年に延長されたり、最近流行のジェネリック医薬品が規制されるなど項目も含まれる.これは特許保有者や高価な医薬品を発明製造する側に取っては良いハナシだが、平民にとっては困る.特に途上国では。。。。

製薬会社があるアメリカにとっては良いハナシである

医薬品は途方もない審査を通過しないと市場に出回らない.審査を受けるために集めたデータはクスリ会社の知的財産でもある.それの権利が70年も保護されれば、ジェネリック医薬品の存亡に関わる.途上国では先進国から言わせると無法に先進の医薬品が出回っている.また、治療法や検査法にも知的財産権がある訳で、TPP締結後は全て規制される.おまけに、先進国の企業は生産コストの安い地域で知的財産権で保護されたクスリや検査試薬を製造し、高く売れる先進国へ輸出するだろう.

おそらく金融や投資、保険などのビジネスも自由に国境を越えてできるようになる.

労働力も自由に国境を越えて出入りするようになるだろう.これは日本やアメリカの労働者にとってはたまったものではないが、労働力の安い国や企業にとっては良いハナシだ.

国家資格も危ういかもしれない.医師や弁護士についても国境を越えて自由化されるかもしれない.日本で行われる裁判にアメリカの弁護士が自由に入ることができるようになるかもしれない.難しくてカネのかかる日本の医学部ではなく、途上国で学校を卒業して免許を取得した医師が日本で自由に診療を行えるかもしれない.

不動産の売り買いも自由化されたらどうなる.狭い日本国土が外国人によってたかって売り買いされ、何処の国かわからなくなったり、地価も異常に上がるかもしれない.カネを操る企業の思うつぼだ.

この文章は丁度一年前に書いたものに手を少し加えた.
2019.09.06 Friday

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19:54 | - | - | -

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環太平洋戦略的経済連携協定
毎日変わる、新しい情報をチェック!話題に困ったら………******トレンドが1分でわかる。毎日更新情報!******危険な匂いがするTPP てくる. 日本語で環太平洋戦略的経済連携協定、英語で表すとTrans-Pacific Partnership、またはTrans-Pacific Strategic Economic Part
(光かがやく 2010/11/09 6:19 AM)

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