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2005.12.14 Wednesday

西ナイルウイルスもお忘れなく

西ナイル熱は新興感染症である
 西ナイル熱は西ナイルウイルスの感染が原因で起こる熱性疾患ですが、時に無菌性髄膜炎や脳炎を併発します。最初に発見された地域の名前から西ナイルウイルスと命名されました。このウイルスの存在はアフリカ大陸とユーラシア大陸では確認されていましたが、新大陸やオーストラリアには存在しないとされていました。ところが、1999年に北アメリカ大陸東海岸でヒトやトリの感染が初めて確認されました。その後、アラスカ州とハワイ州を除くアメリカ合衆国全体とカナダに広がり、今や中南米にまで及ぼうとしております。おそらく、西ナイルウイルスは新大陸にはもともと存在していなかったと思われますが、1999年を境に何処からか何らかのルートで侵入したものと思われます。このように新たに発生した感染症を「新興感染症」といいます。

節足動物媒介性の人獣共通感染症でもある
 西ナイルウイルスは多くの蚊類が媒介します。蚊などの昆虫類で伝播するウイルスを「節足動物媒介性ウイルス」あるいは「アルボウイルス」といいます。また、種々の動物に感染できることから、一旦侵入すると野鳥や野生動物と蚊の間で感染環が成立してしまい、狂犬病と同様に根絶することは不可能になります。このように、ヒトだけではなく他の動物にも感染して存続する感染症を「人獣共通感染症」といいます。

残念なことにワクチンと治療薬は無い
 米国CDCのHPを見ますと、2005年の米国におけるヒトの症例数は2775で、1159人がの無菌性髄膜炎もしくは脳炎(42%)を併発しております。また、98人(3.5%)の方が亡くなっております。この病気は死亡率が高く、無菌性髄膜炎や脳炎を発症しやすい特徴を持っています。現在、ヒト用のワクチンはまだ認可されておらず、抗ウイルス剤のような有効な治療法もありません。ウマ用のワクチンは米国で認可されているようです。米国はもとより、日本でも試作ワクチンは完成しており、安全性や有効性の検討が行われており、近い将来に認可されると思われます。

日本ではどうか
 幸い、日本には西ナイルウイルスは存在しておりませんが、ウイルスの宿主域が広いことから考えて、日本に生息する蚊や鳥類、動物種でも伝搬や感染・増殖が可能であると思われます。つまり、ウイルスが侵入すれば、わが国でも米国と同様の西ナイルウイルス感染症の流行が起こり、土着し得るということです。わが国へのウイルス侵入の可能性としては、船舶や航空機の中にウイルスを保持した蚊が紛れ込んで侵入、ウイルスに感染した人が国内で蚊に吸血されて広がる、あるいはその人が献血または臓器提供をして輸血や臓器移植で広がる、輸入動物、鳥類がウイルスを持ち込む、船舶に紛れ込んだネズミなどの動物が持ち込む可能性などがあります。これらに関しては徹底した検疫が行われておるようです。しかし、完全、十分であるか否かはわかりません。また、渡り鳥や密輸された動物・鳥類から侵入する可能性は否定できません。これらに関しては検疫官もお手上げです。

日本人にも西ナイル熱患者が発生!
 勿論、米国内での感染でありますが、1人の日本人が国立感染症研究所の精査で西ナイルウイルス感染と確定診断されました。この件については報道で周知されております。さらに、ウイルスに感染していた人が一人いるらしいのですが、その方は既に完治しており、正式に報告されていないようです。つまり、正式には1人であるが、非公式分も入れると2人の患者が発生したことになります。さて、これは氷山の一角なのでしょうか?実態はどうなっているのでしょうか?
 海外からの帰国時に発熱していたり体調が思わしくない方は、ぜひ空港の検疫官に相談して下さい。精査した後に親切に結果を知らせてくれます。彼らを邪険にしないで下さい。
 また、「そういえば、あの時熱がでた」という方で、調べてみたい、あるいは調べても良いという方は是非調べさせて下さい。体の中にウイルスはいなくても、抗体が残っているので、感染していたかどうかがわかります。ただし、少し血液を採らせて頂きます。また、これは完全なボランティアです。宜しくお願いします。m(..)m

2020.04.24 Friday

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