元仮設ウイルス学研究室

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2020.04.24 Friday

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2005.11.13 Sunday

鳥インフルエンザいろいろ

中国、ニワトリ600万羽処分
遼寧省でH5N1型鳥インフルエンザの発生が確認された。同省黒山周辺では家禽600万羽が処分され、住民116名が隔離された。

卵の危険性
日本人なら卵かけご飯は朝飯の定番であるが、生卵は安全なのだろうか。高病原性鳥インフルエンザに罹患したニワトリはすみやかに発症・死亡し、感染が発生した鶏舎は封鎖されるので、感染卵やウイルスで表面が汚染した卵が市場に出回ることに関しては心配されていなかった。ところが最近、インドネシアで健康体のニワトリがウイルスに感染している事例が確認され、このようなニワトリが生んだ卵が市場に出回る危険性が懸念される。
インフルエンザウイルスよりはむしろサルモネラ菌の汚染が有名である。卵の中身から見つかったという報告もある。日本では配合飼料に抗生物質を混ぜて飼育し、卵は十分に洗浄・消毒されているので殆ど問題ないが、生卵を食べない外国では配慮されていないので注意を要する。

インドネシア、トリから感染したヒトの症例
H1N1型インフルエンザウイルスであるが、ニワトリから感染したと考えられるヒトの症例が確認された。世界中が恐れている高病原性インフルエンザではないが、従来のワクチンで効率的に予防できないタイプであれば、このようなウイルスが世界的な流行を引き起こす可能性は十分ある。

イタリア、野鳥からインフルエンザウイルス
野ガモからH5N1型インフルエンザウイルスが分離されたが、高病原性ではなかった。

中国、封じ込め対策
北京市内のニワトリ生体を扱う市場168カ所を封鎖。ペット用鳥類市場も閉鎖。都市内でニワトリの飼育を禁止。鳩も籠から出さないよう指導。ペットを含む全ての動物に鳥インフルエンザと口蹄疫のワクチン接種を義務付けた。市外からのニワトリの移動を禁止。生の鶏肉類以外に、新鮮な鶏糞や羽毛も危険である。
香港では野鳥への餌付けを禁止した。

もう一つ必要な措置は、自主的な輸出禁止であろう。

パンデミーが起きたときの予測
ジュネーブで開かれた専門者会議で、高病原性鳥インフルエンザがヒトからヒトへの伝播能力を獲得するのは時間の問題であると警告された。世銀の予測ではヒト社会で流行が起これば、米国だけでも20万人以内の死者が出ると述べられている。

ワクチンが用意できないときは、爆発的な流行が予想される。特に、発展途上国では無制限に広がり、ウイルスの温床となる。先進国が備蓄されている抗ウイルス剤を予防的に用いても長期間は持ちこたえられない。通常、インフルエンザは冬期に流行するが、パンデミーの場合は季節に関係なく起こる。世界人口の多くは、無防備な発展途上国が占める。感染・発症した場合、適切な治療を行わなければかなりの割合で死の転帰をとることから、全世界では軽く10億人をこえる死者が出るといっても過言ではないと考える。先進国は自国の対策にとどまらず、途上国に於ける対策に本腰を入れる必要がある。

この病気は検疫等で侵入を抑えても、渡り鳥が運んでくる経路もあるので侵入を抑えることは困難である。

抗ウイルス剤の十分な製造と備蓄、ワクチンの早急開発と普及が流行対策の要になることはいうまでもないが、ウイルスの広がり、変異等をエコロジカル(生態学的)、エピデミオロジカル(疫学的)に監視し、分離されるウイルスを分子生物学的、分子疫学的に解析する必要がある。

インドネシア、ヒトの鳥インフルエンザ症例
11/6にジャカルタの病院に高熱と肺炎で入院した16歳女性が鳥インフルエンザに感染していたことが確認された。患者は11/8に死亡。患者は東ジャカルタ近郊に居住、付近には鳥を扱う市場がある。自宅にはニワトリとペットの鳥を飼育。感染した家禽との接触歴なし。

トリ以外の他の動物(ヒトを含む)、ニワトリの排泄物、ニワトリの生肉や生卵からの感染か?

WHOに報告された東南アジアのヒト鳥インフルエンザ症例
2003/12/26-現在まで
インドネシア9例(5例死亡)
ベトナム92(42)
タイ20(13)
カンボジア4(4)

新聞等で発表されている数に違いがあるのは
状況証拠や臨床症状等から推測される患者数、正確な実験室内で確認された数、発表する省庁等がつかんでいる症例数の違いなどが理由である。特に発展途上国では往々にしてある。



2005.11.02 Wednesday

鳥からインフルエンザ、パニックにならないで

 A型インフルエンザウイルスは多くの亜型が存在します。ウイルス表面のHAタンパクとNAタンパクの抗原型は前者がH1からH15、後者がN1からN9まであり、これら2つのタンパクの抗原型の組み合わせによりウイルスの亜型が決定されます。
 これまでに多くの動物から種々の亜型が分離されていますが、ヒトから分離されたウイルスはH1、H2、H3とN1、N2の組み合わせだけでした。最近、H5N1あるいはH9N2がヒトに感染して重篤あるいは致死的な感染に至る事例が発生し、公衆衛生学上の大問題となっています。しかし、これらの亜型は次々とヒトの間に広がらないことから、人間に容易に感染することはないようです(今のところ)。
 一方、鳥類からは多くの亜型が分離されており、特に野ガモからは全ての抗原型が分離されています。野ガモに感染したウイルスは渡りの過程で他の地域から来たカモに感染し、そのカモは渡りによって他の地域の鳥類にウイルスを伝えます。このようにして、色々な亜型のA型インフルエンザウイルスが世界中の鳥類の間に広がっていると考えられます。この野ガモとウイルスの関係は今の始まったことではなく、太古の昔から営々と営まれてきたと思われ、身近な野鳥やニワトリ、アヒルなどからウイルスが分離されても不思議なことではありません。
試しに、最近のニュースから拾い出してみると・・・・
ヨーロッパ各地ではH5N1型インフルエンザウイルスが家禽や野鳥から分離されています。
英国では検疫でスリナムからのオウムと台北からのトリからH5N1型が分離されています。
スウェーデンでは死んだマガモからH5N3型インフルエンザウイルスが分離されています。
ドイツでもガンからウイルスが分離されたようです。
ルーマニアではガンとハクチョウからH5ウイルスが分離され、アオサギの死骸が確認されています。
クロアチアでは死んだハクチョウからH5型ウイルスが分離されています。
トルコでは家禽の大量死が起きています。
レバノンでは数十羽の渡り鳥の死骸が確認されています。
イラクでもインフルエンザに感染したニワトリが確認されていますが、H5N1ではないようです。
ロシアでは各地(Tambov地域、西シベリア、ウラル南部)で家禽からウイルスが分離されています。
南東アジアではタイ北東部で流行しているようです。
ベトナムでは2名がトリインフルエンザ感染が原因で死亡したとみられます。ベトナムでは今まで約40人くらいが死んでいます。
インドネシア・バリでも家禽の大量死が起きています。
中国(内モンゴル、安徽省、江西省)でも家禽の間にインフルエンザの流行が発生しています。
カナダでも野生化したアヒルからインフルエンザウイルスが分離されています。

インフルエンザウイルスがトリに感染していても何ら不思議ではありません。
多くの場合、トリがインフルエンザウイルスに感染しても無症候といわれております。ところが、家禽、野鳥を問わず鳥類が致死的感染を起こす事例が世界中で確認されています。トリに起こっている高病原性のインフルエンザはトリだけではなく、接したヒトにも伝播して致死的あるいは重篤な感染を起こすことが確認されています。現在のところ、このヒトへの感染は極めて稀にしか起こらないようです。なぜなら、これだけ多くの地域で大量の鳥類が感染・死亡しているのに対して、ヒトの症例は少ないからです。問題の起因ウイルスはヒトに全く感染しないのではなく、極めて感染しにくいといえます。この宿主特異性はウイルスの性質です。しかし、突然変異で性質はいつか変わるものです。ウイルスがヒトにも容易に感染できる性質に変異した時、ヒトの間で爆発的で巨大な流行が起こることは必至です。なぜなら、問題のウイルスは未だかつてヒトの間で流行したことの無い抗原型だからです。いつ、その大流行は起こるのでしょうか。答えを持つ人はいません。全く起こらないかもしれないし、明日に始まるかも知れません。幸いなことに今日は起きていないようです。

 日本の厚労省は高病原性インフルエンザの大流行に備えて対策を計画しています。厚労省の「新型インフルエンザ対策報告書」を読みますと、新型インフルエンザが国内外で発生した場合の対応、情報提供や情報収集(サーベイランスシステム)、発生時の患者数の試算(1,740万人、内10万強が死亡)、治療薬の準備量(2,500万人分)、予防ワクチン(開発中、研究費として5億円増の概算要求)などが述べられております。

 一般の我々はどうすれば良いのでしょうか?
 政府や都道府県市町村の指示に従うとしか申し上げられませんが、私自身は普通のインフルエンザ対策をとっておこうと考えています。
効果的か否かわかりませんが、現行のインフルエンザワクチンを接種する。
不必要に人ごみに入らない(やむを得ないときはマスク着用)。
不特定多数の人が接するものをむやみに触らない。
手洗い、うがい励行。
抵抗力をつける。
などでしょうか。
高齢者、新生児、基礎疾患のある方々は特に注意して下さい。
そして、感染したと思ったら病院にいって治療を受けて下さい。
できれば、治るまで自宅で療養して下さい。特に人ごみを避けて下さい。他人に風邪をうつすと治るというのは迷信です。広げないで下さい。

2005.10.18 Tuesday

新型インフルエンザは大流行するか?

 今や、地球全体を席巻する勢いで広がりつつある高病原性鳥インフルエンザウイルス。EUでも蔓延が恐れられている。

 世界保健機構の事務局長は、高病原性鳥インフルエンザウイルスが変異して、ヒトへの感染性を獲得し、将来パンデミーが必ず起こると断言した。

 欧州連合外相理事会でも、鳥インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザ)は「世界的危機」と声明を発表しています。

 アメリカではもう一歩進んで、新型の強毒インフルエンザ(おそらく、高病原性トリインフルエンザがヒトへの感染性を獲得したもの)が世界的大流行した時を想定した対策マニュアルを作製しており、この度改訂版が出た。最悪のシナリオとして、米国では200万人近い死者を出すようである。アメリカは430万人分の抗ウイルス薬を備蓄、一億ドルをかけてワクチンを開発している。それでも200万人が死ぬ。そうすると、日本は100万人死ぬ勘定になります。

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2005.09.05 Monday

コウモリのオチンチン

こんなボクですが
おちゃめなんです
オオコウモリ
沖縄市こどもの国に保護されたオオコウモリ。
久しぶりに見に行ったら、エラく増えてました。
たぶん、保護されているうちに繁殖してしまったんでしょう。
どうしてワタシではなくボクなのかというと・・・・

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